決勝:憧れと勝負する萩野:リオ五輪男子200m個人メドレー決勝
決勝
マイケル・フェルプスは200mバタフライの僅差と違って、余裕の勝利でした。
同じ距離でも、彼にとって、バタフライより個人メドレーのほうが、泳法を切り替えることで筋持久力の点からもスピードを維持しやすかったのかもしれません。
タイムは、以前彼が、高速水着時代に作った自己ベストに近いもので、やはり彼は伝説のスイマーですね。ありえないことを成し遂げるのですから。
荻野は、最後の自由形であれだけ一気に4人抜き去って、銀メダルでした。最後に抜くのはかっこいのですが、それ以前にもっとペースアップできなかったのかなとも思いました。
荻野は、憧れのフェルプスに勝てないまま、彼への憧れを胸に抱いたまま、これからも水泳を続けるでしょうから、彼のこれからの水泳人生のためには、この結果を良かったと思える時が来るかもしれません。
ロクテ、ペレイラという名選手が、メダルに届かないまま終わってます。
選手タイム
マイケル・フェルプス
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萩野公介
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汪順
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4 |
藤森太将
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5 |
ライアン・ロクテ
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6 |
フィリップ・ハインツ
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7 |
チアゴ・ペレイラ
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8 |
ダニエル・ウォレス
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決勝前
リオ五輪の競泳で、水泳ファンが一番注目するであろうレースが男子200m個人メドレーです。
時間はこちらを見てください。
マイケル・フェルプス選手はこのレースで引退するかもしれません。
(因みに、facebookの彼のページには800万以上のいいね! がついてます。
参考 https://www.facebook.com/michaelphelps/likes )
200mバタフライで、優勝し、プールから上がった彼の姿を見ていると、
水泳に打ち込んできたことへの感慨が溢れ出てくるのを止められないようでした。
泣き出してもおかしくないようにすら見えました。軽く天を仰ぎ、何とも言えない深みのある表情をしていました。
レース自体も、ラストで急に失速してしまうという、彼らしくないレースで危うく金をとりました。体力的にもう限界が近づいているように見えます。
なぜ彼はここまで水泳に打ち込むことができ、これだけ水泳を好きでいられ続けたのでしょう。
おそらく、彼が子供時代、ADHDであり、リタリンを服用していたこと。
* 参考資料 http://www.additudemag.com/adhd/article/1998.html
ひょろ長いノッポで、大きな耳という容貌をからかわれるいじめられっ子であったこと。
水泳に集中することで、それを克服し、水泳のスパースターになれたこと。
それらと関係した、彼の心の深いところでしかわからない、水泳への深い思いがあるのでしょう。
ライアン・ロクテ 選手も決勝への出場を決めてきましたが、この大会では個人種目はこの200m個人メドレーだけの出場で32歳であることから、
泳ぎもピークアウトしていることから、引退するかもしれません。現在もこの種目の世界記録はロクテが持っていますが、5年前のものです。
2人は8年前から5年前に作った世界記録を今も保持しています。
100mバタフライ | 49秒82 | マイケル・フェルプス | アメリカ合衆国 | 2009年8月1日 | 世界水泳選手権 | ローマ | [14] | |
200mバタフライ | 1分51秒51 | マイケル・フェルプス | アメリカ合衆国 | 2009年7月29日 | 世界水泳選手権 | ローマ | [15] | |
200m個人メドレー | 1分54秒00 | ライアン・ロクテ | アメリカ合衆国 | 2011年7月28日 | 世界水泳選手権 | 上海 | [16] | |
400m個人メドレー | 4分03秒84 | マイケル・フェルプス | アメリカ合衆国 | 2008年8月10日 | 北京オリンピック | 北京 | [17] |
これは2人がスーパースターだということよりも、私には、これだけ長い期間、自分の記録を更新できないまま、
ウルトラハードな練習を継続できたのだろう、それだけ水泳がすきなんだなと、想像が膨らむことなのです。
ただ、才能があることでは、この二人のように、ここまで水泳に打ち込み続けることができないことだけは間違いありません。
そしてここに、日本のスーパースター 萩野が決勝で挑むことになりました。
その萩野自信がフェルプスに憧れ、水泳を続けてきました。
自分にとって、憧れの選手であるフェルプスに必ず勝つつもりでかれはこのレースに挑むことでしょう。
そして前回のオリンピックでは、フェルプスが不調だったとは言え、競り勝って、彼は銅メダルをとっています。
水泳界のスーパースターの世代交代がおこる。もうおきているのですが、
このレースの見所は、その世代交代が、有終の美を飾って行われるか、萩野が勝って引導を渡すかというところにあります。
ロクテとフェルプスはお互いを最大のライバルと考えていますし、二人共最後を飾りたい鉄の意志を持っている。
そこに萩野が割ってはいることができるか、それが見所になると予想します。
若い頃のフェルプスが圧倒的な強さで勝ち続けた今も彼が世界記録を持っている400m個人メドレーは
既に萩野が金メダルをとり、フェルプスは参加せず、ロクテは代表選考会で負けて参加できていません。
レースが終わったあとしばらくのあいだのフェルプスとロクテの態度、表情をみること、
そこに彼らの水泳への深い思いを見出すことも楽しみにしています。
マイケル・フェルプス
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ライアン・ロクテ
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チアゴ・ペレイラ
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萩野公介
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ダニエル・ウォレス
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汪順
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藤森太将
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フィリップ・ハインツ
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