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サピエンス全史 あらすじ 書評 感想 リアルホラー、ミステリー 認知の進化が人を作った?ユヴァル・ノア・ハラリ

 2017/01/31 ニュース学部 文学部 経済学部
この記事は約 13 分で読めます。 1,985 Views

Contents

『サピエンス全史』はリアルホラー

この学術的な本が世界でベストセラーになったのは、内容がそれだけ魅力的だからです。

私は恐怖を覚えました。原作では”Sapiens”となっているのに、日本語の題では

それに 『全史』 が付け加えられた意味が読み進むほどに明確に浮かび上がってきて、

最後にその意味を確信するからです。

サピエンスの全歴史は近く完結する。人類は少なくとも今の形態と認知のまま一千年後には存在しないだろう。

一千年後とは、ホモサピエンスが認知の大変動、認知革命(注:現代の心理学では認知革命は別の意味ですが、

この本では、主に7万年前にホモサピエンスが認知が大きく変えたことを指しています。)が7万年前だったことから

すると、とるに足らない期間である。したがって、ホモサピエンス(現人類)の歴史の期間を現時点でほぼ網羅することができる。

とこの本はいっているように思えました。

あらすじ と 感想 (章ごとにあらすじと感想を述べます)

サピエンス全史 上巻

最初に歴史年表が示されます。

135億年前のビッグバンによる宇宙の誕生から

7万年前の人類の認知革命からの急激な変化の過程である現代まで。

宇宙の誕生からは大げさに最初は感じましたが、この7万年の人類が世界に与えた変化がある意味ではそれと比較し得るべきものとして年表で示されているかのように、読後思えてきました。

第1部 認知革命

第1章 唯一生き延びた人類種

人類(ホモ族)にはネアンデルタール人をはじめ他にも種族があり、並立している期間が長かったこと。

ホモサピエンスは、ネアンデルタール人に追い返された形跡もあるのに、7万年前に突如として、地球全体に広がり、

他のホモ族は絶滅しました。それまでは知能は高くても、食物連鎖の中間に位置するような動物でした。

感想

現代人を100人くらい集めて、他の人類に接触できない自然の中に連れて行き、サバイバル生活したら生き抜けるでしょうか?

かなり大変なことになりそうです。昔の人類も決して強い立場でなかったのに、生き延び。

そればかりか、地球環境に大影響を与えるほどになったのかという疑問に改めて向き合わせてもらいました。

第2章 虚構が協力を可能にした

言葉をもち虚構を想像し語り共有することで、ホモサピエンスが150人を超える人数での協力が可能になりそれが、一気に、飛躍的にこの種を強くした。

感想

筆者が冷静で説得力ある論を展開しているので納得してしまうのですが、科学的な根拠は十分強いとも思えず、さりとて、ここまでの説得力のある、仮説を否定する気にも全然なれませんでした。

虚構、とは、それがその後現実になっても、想像した時点では虚構です。今、現実に存在しないものを、想像して、それを言葉を使って共有して、そのために共同で作業することが、人類をここまで発展させた原動力になったとは、どんな想像力豊かな人でも思いつかない、虚構であったことでしょうが。

第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし

狩猟時代は労働時間も農業時代より短く、生活も変化に富んで、食物も多様で豊かな暮らしをていました。

感想

しばしば人類は、絶えず進歩していると思わされる誤解があることを指摘されます。農耕社会の前の狩猟社会のほうが、人類は、個人としては、豊かな経験をできる生活でしたであろうことを、想像させてもらいました。狩猟と農耕では、どちらが豊かかと言う考え自体が、根本に何を豊かと考えるかの価値観があるとわかっているにも関わらずです。

 

第4章 史上最も危険な種

人類が行き着いたところでは、大型動物の絶滅が必ずおきてきたことの丁寧な説明

感想

大昔のことだから、刑事が犯罪を立証するのとは方法が違うが、筆者は反論の余地もないほど丁寧に、人類が新天地に進出するたびに、その場所の大型動物を確実に絶滅させてきたことを納得させてくれている。人類は、個々には優しい心をもっているとしても、主としては確かに、極めて危険な種であることを痛切に理解させられた。

第2部 農業革命

第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇

農耕に移行することで、人口は増えたものの、個々人の暮らしは決して豊かになったわけではないこと。自由が失われ、家畜となる動物は数は増えてもコントロールされた過酷な生命をいきるようになります。

感想

これ筆者は敢えて書かなかったのかもしれませんが、人類は農耕によって、人類自身を、家畜化してしまったということだと感じました。家畜は、管理された中で個体数を増やし、安全に生きることはできるが、それが幸せとは限らない、むしろ窮屈な中をいきていかなればならない。それが農耕による繁栄と悲劇なのではと想いました。

第6章 神話による社会の拡大

農耕により未来を心配するようになります。農耕により都市ができます。メソポタミアではハンムラビ法典(目には目をで有名な)ができます。

共通して妥当とみなされる取り決めができます。

感想

神話と言うのは、それを信じる集団が科学的に考えずに、外部と交流があまりない状況では、その集団に共感と協力をもたらすことができる強力な道具なのですね。

人類を人類たらしめた最初の大きなきっかけであったことがよくわかりました。ハンムラビ法典も、人々を上、中、下 に分けていて、現代から見るとみょうなところもありますが、当時のひとにとってはとても納得の行くものだったのは、当時の神話との親和性が高い、あるいはハンムラビ法典自体も神話だったからなのかと想いました。

第7章 書記体系の発明

取り決めを記録するために、記号、数字、文字ができてきます。

感想

文字の前の、記号と数字が始まっていることが、印象的でした。最初の記録が、税や経済的活動の記録から始まっていることが、ああ人類は最初から、金がそんな大切だったのが、根深いなあと、ため息をつきました。

第8章 想像上のヒエラルキーと差別

取り決めができ、もとともは想像や虚構でしかない神話ができることで、人類社会に階層構造や差別できてきたこと。

人類という種族としては実際は大差ないにもかかわらず。

感想

以下のその社会で信用された、あるいは思い込まされた 常識、通念、(この場合は神話か)が 種としては差がない人類に階級を差別を作り出し、作り出されると、それが繰り返されていること、それは上の人間の方便としての場合もあれば、集団をまとめるための方便でもあるわけですが、下で固定されてしまうと辛いなあとそればかりを考えてしまいました。

第3部 人類の統一

第9章 統一へ向かう世界

歴史的な経緯を追うことで、人類の社会が統一する方向にすすんできていること。

感想

EUが安定はしてないものの、ヨーロッパをまとめたように、これが世界的に広がらざるをえないのだろうなとは感覚的にも想像しやすいです。

マサイ族までスマホをつかっているという現代、種として単一の人類が、平等に情報に接するようになったら、統一しない理由は、利害関係を無理やり守ろうとする国家主義(ナショナリズム)くらいしか思い浮かびませんが、それも大きな流れの中での、小さな逆流にすぎないのでしょう。

第10章 最強の征服者、貨幣

物々交換の限界を超えるために、最初は貝殻を使った貨幣が使われだし、それがどのように強大な力をもち、人類をある意味で結束させてきたか。

感想

貨幣の威力は、ここで改めて考えさせられると恐ろしいほど強大なのだとわかりました。 例えばトランプ大統領がどんな無茶をしたとしても、ドルが評価される限り、人々は、大統領に関係なく、ドルを欲しがります。貨幣への欲求は、崇高なハズのイデオロギーより、大切だと人類のほとんどの人がアッサリ信じているのです。そんなものなのです。それが、イデオロギーをこえた経済協力を可能にしてグローバル経済を成り立たせているのでしょうが、様は、儲かれば、それ以外のことは小さいとほとんどの人が想っているのが、現在の人類と言うことになりますから、それが幸せなのかは考えさせられました。

第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン

著者のユヴァル・ノア・ハラリが哲学的な素養も高いことが読み取れるので、”帝国論”(ネグリハート 哲学者)の影響も受けているかと思われる。

支配的なシステムをもつ国に周囲が取り込まれていき、取り込まれたところもそのシステムの1部であることを自ら宣言する。

感想

帝国と言うと、支配的な強大なものを想像させますが、現代人の全て、私達自身が、その帝国の構成員だった人を祖先に持ち、現在の、意識しなくてもその構成員だということを、自覚させられました。

仮にその帝国と言うシステムが居心地悪くても、それ以外のところがないのです。

ソールズベリの『森の生活』や『ロビンソンクルーソー』みたいなのは無理で望む人も少なそうです。

サピエンス全史 下巻

第12章 宗教という超人的秩序

上記の貨幣、帝国と並んで宗教も人類をまとめるために重要な要素であることがしめされる。

仏教に対する深い理解をそのわかりやすい解説もなされる。

社会主義も宗教であると説明している。

感想

著者のユヴァル・ノア・ハラリの仏教への深い理解と、それを簡潔、明瞭に説明できる能力に感銘しました。わかりにくい話をしているお坊さんは、これらのことを理解しているのか、理解していたら、なぜこのように説明できないのか疑問に想うほどでした。欲しい感情に惑わされ続けることは、新たな苦しみを生みかねないこと、むしろ心を、無にするほうが、苦しまないですむことを、ここまでわかりやす、明瞭に説明できるのは凄いことです。

第13章 歴史の必然と謎めいた選択

キリスト教徒は20億人、イスラム教徒は12億人と少し、なぜこんなに増えたのか?

偶然か、必然か、歴史では、あとから考えてもそれがわからないことがあり、歴史の選択肢の幅は非常に広い。

感想

この章は、最終章で超ホモサピエンス以降の時代も、選択肢が広く、どのような広がりを見せるかわからないと想像させるために敢えておかれたのかなと。あとから想いました。

第4部 科学革命

第14章 無知の発見と近代科学の成立

わずか500年間で科学革命により、人類がどれだけ進歩したか。

科学の進歩の根幹は以下にある

a.進んで無知を認め意志

b.観察と数学の中心性

c新しい力の獲得

感想

科学の大きな進歩は、無知を自覚、認知するところから始まったと言う考えは斬新です。私は、科学は、わからない根本的な質問は保留しておいて、観察データを数式で説明できることに集中すること等で発展してきたと想っていました。無知の自覚と言うより、解けない真理の保留で、理性をできることに使うことで発展したと想ってきたのです。ただ、この筆者の論理のほうが、すっきりしました。

第15章 科学帝国の融合

なぜヨーロッパで軍事・産業・科学複合体が発達したか?

感想

ヨーロッパは長い期間、中東や中国ほど文化が発展してなかったのに、近世に急に世界の覇者になりますが、それがアメリカを開拓したことや、冒険的なビジネスをヨーロッパだけがやったと言うこともかかれているのですが、ヨーロッパがなぜそうなったのかはわかったのですが、ヨーロッパだけがなぜそうしたのか、そうできたのかはよくわからないままでした。

第16章 拡大する資本主義のマジック

筆者の仏教に対する解説が宗教学者より本質と理解しやすさの両立をしていたように、資本主義についても同様に説明がなされています。

金利は経済全体の成長がなければ経済全体として払いきることのできないものなのに、資本主義は成長を前提とした幻想を信じさせるというマジックでここまで成長し、その限界が来ると悲惨なことになること。

感想

ここでも著者のユヴァル・ノア・ハラリは経済学者でもないのに、わかりやすく明快に資本主義の最大の問題点を説明、指摘して、さらに、成長が限界を迎えたときに、非常に苦労することになるとだけアッサリ書くにとどめています。 資本主義自体が、人類を急発展する大きな原動力になったのは、この本で述べられた、虚構を成長神話と言う形で信じ込ませることに成功したからです。その成長神話が限界を迎えつつあることは、日本銀行のマイナス金利だけをみても想像することができます。資本主義の幻想の剥落とホモサピエンスの最後は連動するのではないかとすら思わされます。

第17章 産業の推進力

資本主義の成長を支えてきたのが、技術革新であったこと。蒸気機関、内燃機関等で説明しています。

感想

技術革新にともなう経済の拡大が、資本主義を支えてきたことはわかるのですが、技術革新と人類の幸福が乖離しかねない現在の状況でそれが持続するかにまた疑問を感じました。

ただ、世界の動きと、個人の生活は必ずしも正確には連動しないので、個々人が真剣に生きる方法を考え続け行動し続けるのが正しい生き物の道なのかと。

第18章 国家と市場経済がもたらした世界平和

社会の中で生きることで自然の脅威から守られるが、分業制はとことんまで進み、家族やコミュニティーは崩壊し

劇的な変化がこの2世紀になされたことが説明されています。

感想

この本では、科学技術革命で500年間とのことですが、国家と市場経済による直近の200年間のほうがさらに変化が大きいとされています。

現代で、一人暮らしや孤独な人が増えたのは、コミュニティーや家族と言うものの長所だけでなく、息苦しさから、多くの人が逃げだことも大きな要因と想われますが、

孤独感の強い生活を、幸福と感じられる人は基本にはいないのではないでしょうか? 人類は、自分はどうすべきか、考えさせられました。

第19章 文明は人間を幸福にしたのか

どのように人間の幸福度を計れるか、また人類は果たして幸福になってきたのか、脳内化学物質や、意義あると感じられる経験等から考察されています。

感想

脳内化学物質が、セロトニンが、ドーパミンがという話はよくききますが、気持よく、感情的に良い状態ならそれで幸福と言えるのかまで、問いかけられて、考えました。

本当は、意義を感じる目標があり、それを達成するために、努力する中で、自然にそれを心地よく感じたり、困難を感じても前進しようとする、自分を認めることが本当の幸福なのではないでしょうか?

第20章 超ホモサピエンスの時代へ

遺伝子工学、コンピューター、ロボット等の進歩、また前章までに段階をおって見てきた人類の歴史から、現在のホモサピエンスが変化せざるを得ない状況にあることが述べられています。

感想

ここまで読んで、最初に書いたとおり、サピエンス全史 とは サピエンス、そろそろ終わり、少なくとも今の形態のままは続かないとこの著者は述べているのだと確信せざるを得ないのです。

  • コンピューターの知性が、人間を超えはじめている。
  • 資本主義が限界を迎えてきているように見える。
  • 人は進歩して感じよく気を使ってくれるロボットの会話を、人間との会話より楽しむようになるかもしれない。
  • 遺伝子工学は、既に驚くべきことを哺乳類で実験しているのだから、人間にも適用できないわけがない。

自然に、普通に考えて、今までの延長線上に、一次関数のグラフのように人類 ホモサピエンスの未来はない。それをこんなにわかりやすく書いてしまった。そんな本を読んで怖くなり、僕はそれに対してできることも思い浮かばず、ただ、目の前の現実感が薄れるような、脅威を感じました。

全体の感想

本の最後の方で私達が真に直面している疑問は

「私たちは何になりたいのか?」 ではなく

「私たちは何を望みたいのか?」 かもしれない。と書き

この質問に頭を抱える人は、これを十分考えてないと書きながら、著者の考えは示されません。

ひょっとすると、これだけ高い知性を示している、この著者をして、わからないのではないかと想いました。

人類は、個体か少人数で投げ出されたら、ひ弱な動物に過ぎないにも関わらず、人類全体が連動することで、神のような能力を発揮できる存在となっています。

そこで何を望みたいかがわからないまま、不満だけが高まったら、著者があとがきで書いているように、

「自分が何を望んでいるかわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?」

と言うそのままの存在になってしまいます。

人類が、個体でなく、全体で想像もつかない世界に到達したように、人類全体の思考より、認知能力が変化、進化することで

漸く次の世界が見えてくるのだろうとしか、私にはわかりません。

それは、7万年前に、形態的には変化しないのに、突然に集団で虚構を信じることで強大な力を手にしたホモサピエンスにおきたように認知の次元を飛び越える革命が

人類に起きることで、見えてくるものなんかもしれません。 (マックの100円バーガーを食べながら、家畜の牛のことは考えないことにして。)

 

 

 

 

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