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僕らのごはんは明日で待ってる 小説,漫画,映画,あらすじと感想 コミュ障気味でも希望をくれる恋話。

 2016/12/18 恋愛学部 文学部 映画学部
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僕らのごはんは、コミュ障気味の人に希望をくれる

テレビドラマの「逃げるは恥だが役に立つ」との共通性

主人公の葉山亮太は大好きな兄の死からくる悲しみを引きずり、クラスでも孤立したまま、図書館の小説を端から読むことで現実感を薄めて日々をごまかす生活を送っている高校生です。

こんな主人公に、積極的に関わってくる可愛い女の子が出現するなんて、所詮小説だしなあと、読む前は思ったのですが、読みやすく、納得がいき、しかも大切なことを伝えてくれる小説でした。

年配の人間でも、人との繋がりに希望を求めている人は読んでよかったと思えるはずです。人付き合い全般が苦手な男でもチャンスはあると思わせてくれるところが「逃げ恥じ」とも似てます。

それでキャッチフレーズに同じ「うるきゅん」が使われているようです。

あらすじと感想

とても読みやすく、しかも、大切なことを教えてもらった気になれます。それはとても丁寧に考えて小説が作られているからです。

例えば、主人公達は高校3年生から付き合いだして、途中別れた時期もあったものの、主人公が大学を出て2年も経たないうちに結婚したという設定になっているのに、

結婚してからようやく、女の子のことを、苗字でなく名前で、上村でなく小春と呼ぶようになります。時間をかけて段々とそしてとても親しくなっていっても結婚するまで苗字でしか相手を呼べないくらいの主人公の繊細な気持が表現されています。

上に書いた事情でたそがれていることが多い主人公葉山亮太を偶然のようでおそらく実は強引に無理に、体育祭のミラクルリレーのコメブクロジャンプのペア(他に男女ペアはいない)に誘って決定したのがヒロインの上村小春。

米袋に2人で入って50mもピョンピョン飛んで前進するから、どうしてもある程度は接触しないわけにはいかないだろうし、練習でもどうしても話さないわけにもいきません。

ヒロインは明るく、ポジティブで言葉遣いはぶっきらぼうなところもあり、なんでこの主人公を好きになったのか疑問が生じます。

主人公が中学生時代(兄が死ぬ前)はリレーでも活躍してかっこ良くて、実はそのころから好きで高校生になって暗くなって、ライバルが減って喜んだとも言っているのですが、もっと深い理由をサラッと話しています。

中学校時代はきちんとスポーツを頑張り、高校生になれば、きちんと兄が死んだことを悲しんでいる。その”きちんと”したところが好きだとヒロインは主人公に話してもいます。

「きちんと悲しむ」

あとからわかってくるのですが、このヒロイン上村小春は明るくてポジティブで、自分の関心を外に向けて、友人も多そうなのに、自分のことをあまり話しません。

実は、父がわからないこと、母が自分を祖父、祖母に預けてどこかにいってしまったことも、付き合ってからかなりたってから、主人公の葉山亮太にボソッと話します。そこから会話を続けようともしません。主人公の兄が死んだ話も、知っているといってあまり聴こうとしません。

おそらく、このヒロインは、自分の心に向き合わないで、「きちんと悲しむ」ことから逃げているのです。だから、兄の死から暗いままで、きちんと悲しめている主人公を好きになったという面もあるのでしょう。

そんな2人だから、急には、十分には親しくなれません。でも、

「ポカリスェットが2人を助ける」

米袋リレーの後は、ヒロインが主人公にポカリスェットをさしだすことで、

ヒロインの告白に答えられないままで、ふったままのようになってしまっているところで、インフルエンザで休んでいた彼女の家まで言ってポカリスェットをさしだすことで。(それもヒロインがくれたままで返せなくなっている本をブックオフで換金したお金で買ったポカリを)

そこで、主人公は「人を好きになることが怖いんだ」 と告白します。これがそのときの彼にできる精一杯の告白だと言うことはヒロインもわかったのでしょうが、一生聴くことがないような台詞だと思っていたと茶化しながらも、彼をちょっと先までパジャマの上にコートを着て見送ります。ここから付き合いが始まります。

ケンタッキー、モスバーガー、ガストでのデート

それぞれ、具体的なチェーン店の名が入ることで臨場感と親近感が上がる設定になっています。それが物語の重要な鍵にもなっています。

鳥のから揚げが嫌いなのに、ケンタッキーは好きで、でもがっかりしたくないから、ケンタッキーではバイトをしないヒロイン。意外に食べ物の好き嫌いも多いのに、家族の前では好き嫌いを隠しています。それを主人公の前では隠さず出している。そのくらい主人公にだけ心を開いていたこと。また本当に好きならケンタッキーでバイトをすればいいのに、他のところにバイトにいくことも、十分に素直に好きなことに進めないことが表現されています。

突然の別れから大胆な回復まで

ヒロインからの突然のお別れ宣言で死んだようになっている主人公。 大学生になってから友人も増え、合コンに強引に誘い出してもらい、アッサリ新しい彼女が見つかります。とてもいい子でお互い自然に好きなります。

新しい彼女と幸せな付き合いがすぐに始まります。ところが兄の墓参りで前の彼女に偶然会い、ぎこちない会話の中またポカリスェットをやり取りしてから、前の彼女のことばかり考えるようになります。

前の彼女より、目が1.5倍くりくりして1.5倍ニコニコして、1.5倍胸も大きい彼女が目の前にいるのになぜか考えて、ようやく主人公は気がつくのです。自分を孤独から救い出してくれた彼女が特別な存在だったこと、明るく見える彼女は実は容易に心を開けない女の子だということ。彼女のことなら自分は手に取るようにわかること。

自分は、ただ、綺麗だったり、可愛かったり、そういいう人を好きになっていたのではなく、恋だか何だかよくわからないけど、彼女に特別な仲間意識を持っていたこと。

それに気がついて、彼が気持を抑えられなくなり、高校までと別人のような行動力をみせて、元彼女との仲を復活させるのです。

その後も事件はありますが、そこから2人は時間をかけて、距離をさらに縮めていきます。結婚、深刻な病気を経て、2人の関係がより強まったのは、相手の一般的には欠点にもとられかねないものを、自分には守ってあげたい大切なものと感じられたことによるところが大きいと思えるのです。

自分がだめだからどうせ誰からも好かれないとあきらめるのではく、きちんと生きようとしている限り、その方向に努力しようとしているだけで、実際は、十分そうできていなくても、人に好かれることもあれば、そういう人を好きになることもある。人と付き合うことをあきらめないこと。一人が自由で、気ままで、楽しいとしても、人とそれだけ付き合うって、こんなに良いことなんだよと教えてくれるかのような作品でした。

当たり前でも、平凡でも、誰かと深く関わって、明日を作っていくことはこんなにも素晴らしいことだから、きっと、「僕らのごはんは明日で待ってる」という題名になったのでしょう。

漫画との違い

漫画では、小説の中でキーになる発言がいくつか取りこぼされています。例えば小説の中の「人を好きになることが怖いんだ」と言う台詞は、漫画にはありませんでした。

小説の味わいがうすまっているように見えました。

映画 僕らのごはんは明日で待ってる

キャスト

葉山亮太 – 中島裕翔

アイドルが内気な役を上手に演じています。本当に内気な人かと思わせるくらい。

上村小春 – 新木優子

ぶっきらぼうな、しゃべり方も、原作のイメージにあっています。

鈴原えみり – 美山加恋

原作では、ヒロインより、可愛いくらいの外見という設定なので、それがちょっとちがうかもしれませんが、映画だからしょうがないのかもしれません。

塚原優介 – 岡山天音

大学生になってからの親友、やたらに面倒見がいい。

山崎真喜子 – 片桐はいり

ヒロインの入院仲間

上村芽衣子 – 松原智恵子

小説の原作とはかなり違っている役どころです。小説では、おばあちゃんの台詞もなければ、お母さんの登場もないので。

原作:瀬尾まいこ『僕らのごはんは明日で待ってる』(幻冬舎)

監督・脚本:市井昌秀

漫才グループ「髭男爵」の元メンバーという異色の経歴

箱入り息子の恋(2013年6月8日、キノフィルムズ)
ドラマW 十月十日の進化論(2015年3月28日、WOWOW)

主題歌:ケツメイシ「僕らのために…」(avex trax)

映画に彼らのラップが不思議とあってます。速すぎないラップのリズムが段々と7年越しで近づくラブストーリにのテンポにあっているのかもしれません。

 

 

 

 

 

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