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最終回へ累(かさね)漫画 映画化 感想 無料読み 美醜コンプレックスの涙

 2017/08/10 文学部 映画学部
この記事は約 5 分で読めます。 7,346 Views

2018年8月1日追記 次に発売のイブニングで累最終回となると確か前回の連載に書かれていました。

実は途中で難解になりすぎて、しばらく読んでなかったんです。

ただ、最後の方で累が生まれ持った顔で演技をしようと頑張り始めて、

あの感動の初期の学芸会での演技を思い出させる内容になり、でも何か違うことが起きて終わるのかなと予想しています。

人は、顔の造形でなく、コンプレックス抱えた中でそれを乗り越えようと懸命なとき、ひたむきなとき、がんばっているときが

一番、輝き、美しいものだと私は信じています。

 

累(かさね)という漫画の出だしをチラッと見たら、そこから引き込まれて一気に読みました。
累(1) (イブニングコミックス)
かなり好き嫌いがはっきり出る漫画家です。一話、二話でもうその後の大きな流れをすべて予言しています。

その一話、二話がなんとこちらで無料で読めます。

http://evening.moae.jp/lineup/266

内容とあらすじ

超簡単版

美人女優の母を持ち、特別に醜い顔の少女が主人公です。

母の形見の口紅を使うと、他人の顔と自分の顔を交換することができることに気が付きます。

その活用と、もともとあった抜群の演技力により、女優としての名声を獲得していきます。

同時に、自分と顔を交換させられた女性との間で、トラブルが発生し続けます。

 

感想

主人公(淵 累)のコンプレックスの深さ、心の葛藤をここまで表現した漫画があるのかと驚きました。

(おしまい) やっぱ続く

この漫画で作者も考えてなかったであろう場面に私は一番心を打たれました。

(泣ける場面がありました。)

 

第一話の中で、美人女優(淵 透世)の娘でありながら、

醜い顔をからかわれ いじめられていた主人公に、

そのいじめ、からかいのひとつとして、学芸会のシンデレラ役が与えられます。

 

主人公は、悩みや戸惑いを抱えながら、

その強いコンプレックスの原因となっている怪異な顔のまま

みんなとの練習にも参加させてもらえず一人で河原で

「アー アー」 と声をだして一生懸命、演技の練習します。

 

この、場面の主人公は醜いとされている顔のままなのですが、

この漫画の中で一番可愛く、愛おしく感じられました。

 

その真剣さ、健気さ、必死さ、そんなものが全部まとめて出ていたからです。

その後の流れで、主人公が綺麗な顔を手に入れても、

この場面の主人公が一番胸を打ちました。

美醜コンプレックス

は、本人にはとては深刻なものですが、

実は、多くの人が、他人の外見をそんなに気にしてなかったりもします。

自分の外見を一番気にしているのは、自分自身なのです。

 

美醜コンプレックスを極端に強く持つストーリー設定からこの漫画で表現されたものは、

心の内面の不思議さです。

 

コンプレックスの複雑という意味のとおり、

美醜コンプレックスを持つということは、自分はもっと美しいはずだ、

(だって内面がこんなにきれいなのだから)という思いれがあるハズです。

 

自分の醜さを恐れる背景に、自分はもっと美しいハズだ。

という意識があるはずなのです。恐れはその差に生じるのでしょうから。

 

この漫画では、主人公が魔法の口紅の力で美しい顔を手に入れるたびに、

キラキラ、強い魂が宿った瞳を持つ、美しい女性が誕生します。

 

主人公に顔をとられた女性たちは、整った顔をしているものの、

主人公ほど魅力的には描かれていません。

 

主人公が整った顔を自分のものとして、自分は美しくなれたと思った時に

そこに本当に、美しい顔が誕生するのです。

 

その主人公が、一生懸命、演じると、他の誰もできない素晴らしい演技となります。

主人公が本来の自分の顔で自分の女優としての能力を発揮できたのは

第一話の学芸会だけなのです。

(これも素晴らしい演技だったのに、自分で気が付けていません)

 

コンプレックスはそれにより、人をより美しくもすること。

それは、コンプレックスを乗り越えようとする心が美しいからなのかもしれません。

 

逆に、コンプレックスに沈むとそれっきりになってしまう。

 

実際にできることの一つは、例えたった一人でも、

自分の可能性を信じて、河原で声を出し続けて一生懸命、没頭して練習することです。

この漫画の第一話のように。

祝 映画化

監督:佐藤祐市

脚本:黒岩勉

キャスト:土屋太鳳 芳根京子

講談社公開日2018年公開

作者:松浦だるま

漫画 累の主人公の母 女優の淵 透世の本名はでそれを

タイトルにした小説を書かれています。リンク先のアマゾンでの評価(レビューの点数もコメント)が非常に高く、絶賛されています。

 

 

 

 

 

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